S.B.S. Salesforce技術ブログ

教えて921さん!

標準オブジェクトの使い方

こんにちは、Nambuです。今回は予告していた通り標準オブジェクトの役割や繋がりについて触れようと思います!

標準オブジェクトのおさらい

まず初めにオブジェクトのおさらいから。もしもオブジェクトについて全然知らない場合や、すっかり忘れてしまっている場合には是非こちらの記事を先に読んでみてください!

sbs-sfdc.hatenablog.com


それでは改めて!
Salesforceにおけるオブジェクトはデータの集合体です。Salesforce で扱われるデータは、それぞれに合ったオブジェクトに記録されており、オブジェクトはデータベースでいうところのテーブルでした。今回取り上げる標準オブジェクトはSalesforceによって初めから用意されているオブジェクトです。標準オブジェクトには初めから標準項目というものが用意されており、そのまま使うことも自分たちで項目を追加してカスタムして使うことも出来ます。

主要な標準オブジェクト

おさらいが終わったところで今回の本題である標準オブジェクトの説明に入りたいと思います。と言っても標準オブジェクトはすごく沢山準備されているので、よく使う主要な標準オブジェクトだけにとどめておきます。

  • 取引先
    取引先はその名前の通り自分たちと取引関係にあったり取引を行う可能性のある企業情報を登録するオブジェクトです。

  • 取引先責任者
    取引先責任者は商談が発生しているお客様の情報を登録するオブジェクトです。取引先責任者は取引先に紐づけることができ、一つの取引先に複数人の取引先責任者を登録することも出来ます。また、設定を行うことで一人の取引先責任者を複数の取引先に紐づけることも出来ます。例えば取引先責任者がビジネス所有者で複数の会社を持っている場合などにはこの機能を使います。
    取引先責任者という名前に馴染みがなく中々わかりにくいかもしれませんが、ざっくりと言えば取引先に登録した会社で働いている社員を表しています。Salesforce では取引先と取引先責任者の2つを用いることで顧客情報を保存します。

  • 商談
    商談もその名前の通り商談情報を登録するオブジェクトです。商談には誰に(取引先)、幾らくらい(金額)、いつまでに(完了予定日)、どのくらい商談が進んでいるか(フェーズ)などの情報を登録します。その情報を元に社内では売り上げ予測を立てたりします。
    また、商談内の関連リストには取引先責任者の役割というものがあります。関連リストの「取引先責任者の役割を追加」をクリックすると、商談に紐づいた取引先に属する取引先責任者の一覧が表示され、そこからロールを設定することができます。
    ここで「ロール」という言葉が初めて出てきたと思います。しかし、「取引先責任者の役割」で設定する「ロール」はSalesforceの設定でよく使われるユーザを階層別に分ける「ロール」とは別物です。今回設定する「ロール」は対象の取引先責任者が取引先内でどのような役割にいるか選択リストの値から設定するものです。この値の変更は「商談 取引先責任者の役割」という標準オブジェクトの「ロール」という標準項目から設定できます。

  • 活動、ToDo、行動
    最後は活動、ToDo、行動です。これらは全てユーザが行った営業活動などの記録を登録するためのオブジェクトです。これらは様々なオブジェクトに関連させて作成することができます。また、どれも機能が似ているようですが少しずつ違っています。
    ToDoはユーザがやるべきことを件名と期日(年月日)をつけて登録します。ToDoは期日を過ぎても自動では完了になりません。
    行動はユーザが予定を件名と開始日、終了日(年月日時間)をつけて登録します。行動は期日を過ぎると自動的に完了となり、またカレンダーにも表示されます。
    残る活動ですが実はToDoと行動の大元はこの活動となっており、ToDoや行動にカスタム項目を追加する際にはこの行動に追加します。活動の記録にはその時に行ったことを件名とコメントをつけて登録します。

また、他の標準オブジェクトを知りたい場合や一つ一つの標準オブジェクトに関してもっと詳しく知りたい場合には、Salesforceの開発者ガイド( 標準オブジェクト一覧)を確認することで標準オブジェクトを一覧で見ることができます。

標準オブジェクトの繋がり

最後は標準オブジェクトの関係についてです。詳細なリレーションを示したER図はSalesforce のリファレンス( ER図)に書かれています。このサイトでは様々なパターンについて20種類のER図を見ることができます。しかし、図中の属性がすべて英語で書かれていることや、ER図の読み方を知らなければいけないこと、あまり使わないオブジェクトのリレーションまでしっかり書いてあることからこれを理解するのは少し難しいかもしれません。
なので、初めのうちは紹介した標準オブジェクトだけに絞って理解するのが簡単で良いと思います。以下の図は今回紹介した標準オブジェクトに絞ったイメージ図です。1つの取引先に対して複数の商談や取引先責任者が存在し、それぞれにたくさんの行動やToDo、活動の記録を残していく流れが分かってもらえればなと思います。 f:id:sbsSF:20211020122942p:plain